先週6月1日金曜日、東京・目白の自由学園明日館で、波多野睦美(メゾソプラノ)、つのだたかし(リュート)による「懐かしいイギリス古謡とエリザベス朝のリュートソング」というコンサートが開かれた。
明日館は、かのフランクロイド・ライトの直弟子である遠藤新による由緒ある建物である。前日の嵐が嘘のような、うつくしい初夏の夕べにふさわしい、趣のある明日館で、私は、めったにない出会いを体験した。
若い頃から、数々のコンサートに足を運んだが、福引き同様「当り」のコンサートに出会う機会は多くはない。しかし、今宵のコンサートは、間違いなく数少ない「当り」のそれも「大当たり」のコンサートだった。
波多野睦美さんの、深くて奥行きのあるうつくしいメゾソプラノに、胸ふるえる思いだった。ブルーグリーンのオーラが見えるようだった。